室内飼いの落とし穴?ペットのストレスと住環境が与える心身への影響

大切な家族であるペットの不調。その原因は、食事や年齢だけでなく、目に見えない「心のSOS」や「何気ない住環境」にあるのかもしれません。
人間の心身に向き合う高橋医師と、動物たちの本当の健康を追求する宮島獣医師。異なる分野のプロフェッショナルが交わすやり取りからは、薬や数値の改善だけでは解決できない「命へのアプローチ」が見えてきます。
今回は、見落とされがちな「動物のストレス」が引き起こす深刻な体調不良と、フローリングなどの「室内環境」が与える影響について語り合った意見交換をご紹介します。

動物たちが抱える「ストレス」と心身への影響

高橋医師
先日、ほとんど歩けなくなり、犬用のベッドに横になったまま動けなかった老犬(ポメラニアン)が、MATRIXブルー(10ml/日)を与えて1週間目でベッドから出て歩けるようになりました。
ただ、まだオムツは外せていません。

同居していたワンちゃんが亡くなってから、いたるところで排泄をしてしまうようになったためで、加齢に伴うものではないとのことでした。 このように、ストレスからの問題を解決する方法はあるのでしょうか?

宮島獣医師
動物のストレスの問題は、一般的にはあまり考えられていないように思いますが、とても重要な問題です。
社会性のある犬の場合、家族との関わりや同居犬との関係性で生まれるストレスが、病状の原因であることが珍しくありません(一般的な獣医学の教科書には載っていませんが)。普段の生活状況や、家族・同居動物との関わりについての聞き取りや観察が重要と考えます。

実際に以下のようなケースがありました。

  • 大学病院で原因不明とされ、治療にも反応しなかった肝機能低下が、「同居犬の喪失」と家の中でのストレスが原因だった大型犬。
  • 家族の不和(父親と息子の大喧嘩+母親の親族の不幸による体調不良)からくる気逆によって、嘔吐を繰り返し誤嚥性肺炎になった小型犬。
  • 敏感な気質を持った小型犬が、他院で指摘された腎機能低下の「治療自体」がストレスとなり、他の病状を悪化させていた症例。

猫の場合は、環境の影響が非常に重要です。
トイレの手入れの不備や、同居猫との関係性による尿路疾患や消化器疾患。環境ストレスが原因となる皮膚病や自傷行動などがあります。
原因因子を特定・改善できる場合もありますが、精神的なストレスを緩和するサプリメント等で改善が見られても、関係する因子が複雑な場合は対処療法に留まることも少なくありません。

住環境(フローリングなど)が与える身体への影響

高橋医師
知人が飼っている大型犬(雑種)が、床で足を滑らせてから数ヶ月間ずっと後ろ足を引きずっていると相談を受けました。診たところ、圧痛点はありませんでしたが股関節あたりへの影響に見えました。

宮島獣医師
家の中の環境、特にフローリングや段差などは、動物の膝関節や股関節に負荷を与える事が珍しくありません。日常的な住環境の整備も、非常に重要なポイントです。

同居犬の喪失・家族の不和といった「ストレス」が動物の体調に直結するという事実は、多くの飼い主様にとってハッとさせられる内容だったのではないでしょうか。ペットを病気から守るためには、心身両面の環境や住環境を整えてあげることが何よりも大切です。

 

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