山岸純子さん

必要としているものを必要な人に
今はパンとお菓子と酵素玄米の「パン工房 てまひま」を営んでおり、今年で創業5年になります(2020年9月時点)。

最初は粉を引いた自家製酵母のパンやお菓子を販売する店としてスタートしましたが、アレルギーをお持ちのお客様も来られて「米のパンはないですか」「卵や乳製品を使用していないものがありますか」という声を聞くようになりました。そういうご要望に合わせて米粉を使ったお菓子や雑穀のスイーツ、卵の代わりに豆乳マヨネーズを使ったりと、様々な工夫をしながら商品を増やしていました。

そしてある時、なんと私自身が小麦粉のアレルギーを発症してしまい、他にも卵や大豆、ナッツなど、パンに使用していた材料が全てダメになってしまいました。それが発覚した年は、身体の不調が続き原因不明で悩まされてきましたが、たかはしクリニックを受診したのがきっかけで、それがアレルギーによるものだと判明し、お店を休業し治療に専念していた時期もありました。

お店再開後は酵素玄米の販売を始めました。そして自身のアレルギー発症をきっかけに信州産ソルガム協会の方々や、アレルギーに対応した食品を扱ってる方などとも繋がりができ、今ではお店で私の作ったもの以外に、そういう方の商品も販売させていただいています。そうしたところ、小麦のパン屋だった時に来れなかったお客さんが酵素玄米だけを求めてきてくださったり、アレルギーに対応してる食品があることを聞きつけ、足を運んでくださる方が増えました。

販売している商品は、全てに手間を惜しまずかけています。まさに、店名の「てまひま」は私の制作に対する気持ちを込めてネーミングしました。

美味しさと新しさを兼ね備えた商品
「信州あおぞらみーる」に参加したきっかけは、私の治療でした。そこで真弓さんとお話ししていく中で、「グルテンフリー・カゼインフリー・糖質制限のヘム鉄クッキーを作ってもらえませんか」というお話をいただき、そこで初めてサプリメントクッキーという概念が私の中で生まれました。

今までにない全く新しいものでしたので、最初はイメージが固まりませんでしたが、たかはしクリニックで販売するということは、そのサプリメントを必要としている患者さんにダイレクトに届くということがありましたので、すぐにでもご一緒したいと申し出ました。

ヘム鉄クッキーについては、やはりヘム鉄の中身だけ食べると独特な匂いなどもあり、それを美味しいクッキーにするためには味を濃くしてしまいがちです。それでも私が今まで作ってきたパンやお菓子はやさしい味わいのものが好まれてきたので、サプリメントの独特さをカバーしつつ素材の美味しさを伝わるように、素材などもこだわりながら試行錯誤をしてきました。また、女性は男性の2倍量は鉄を補う必要があるそうなので、ぜひこのお菓子がそのサポートになればと思います。

より多くの人が気軽に手にできるように
お店で実際に商品を買ったお客さんの声を聞くと、「ヘム鉄クッキーを食べると体がすぐにポカポカして、やる気が出てきた」や、お子さんがお肉を食べないので、タンパク質不足を心配した親御さんが、お子さん用にとプロテインクッキーを買ってくださり、「おいしい!」と言っていたなど、そういう声を聞くと本当に嬉しく思います。

「信州あおぞらみーる」の商品は、たかはしクリニック中心で販売していますが、それこそが意味のあることだと私は思います。今まさに必要としている方に、サプリを飲むというハードルを下げ、気軽に摂取してもらえるものとして手にとってもらえればと思います。

現在はお菓子を中心としていますが、今後は主食になるようなものも構想としてはあります。様々な人が手にとってもらえるような、そんな愛される商品づくりをしていきたいと思っています。

一覧を見る