猫のルーツとお魚中心の食事への疑問
人の体質改善に向き合う高橋医師と、動物たちの健康を支える廣田獣医師による、命のケアに関するメールのやり取り。異なる専門分野の視点を交えることで、ペットの健康管理における新たなヒントが浮かび上がってきます。
今回は、日本の食文化として定着している「猫にはお魚」という常識に対し、猫の歴史や遺伝的なルーツからその食性の本質に迫る意見交換をご紹介します。
猫は本来「砂漠の生き物」。お魚中心で大丈夫?
高橋医師
猫が本来「砂漠の生き物」であれば、海産物を食べることで腸に負担はかからないのでしょうか?
人の医療では、内陸型の遺伝子由来と考えられる体質の方は、海産物の禁止でとても体調がよくなり、病状改善に向かいます。人間にも、EPAリッチ(魚油などの積極的な摂取)を行ってはいけない人がいるということです。
廣田獣医師
猫の先祖はリビア山猫とされ、砂漠の出身です。長い歴史の中で人に飼われるようになり、食性が変化したのでしょう。
日本では「猫に魚」ですが、外国では肉系の物を与えることが多いようです。しかし、猫は全て魚好きというわけではなく、魚がきらいな猫もおります。何か遺伝的な食の嗜好性があるのかもしれませんね。刺身が大好きな猫もいますが、全く食べない猫もおります。
高橋医師
例えば、漁師町で飼われている猫に多い病気など、何か地域性などをまとめている方はいないのでしょうか?
廣田獣医師
現在のところ心あたりはないのですが、聞いてみたいと思います。
実は、日本では猫の遺伝や遺伝子の研究をしているところが殆どないのが問題なのです。かなり前に三毛猫の雄の遺伝子の論文を読んだことがありましたが、それは日本の研究者でした。
「猫はお魚が好き」という思い込みについてハッとさせられる意見交換でした。「みんながそうしているから」ではなく、その子のルーツや体質を理解して食事を選ぶことが、病気を遠ざける第一歩になります。今後も折を見て、先生方の知見をお届けしていきます。