【イロイロこばなし】〜栄養相談日記7「糖尿病I型患者さんへのレシピ(砂糖を使わない煮物)」

2024.02.20

こんにちは、山岸です。糖尿病I型のAさんとの栄養相談のやり取りの中で、合併症に繋がる身体の糖化についてお話しました。

糖尿病のAさんの治療の目標は合併症を防ぐことです。神経障害、網膜症、腎症などの糖尿病合併症は、細い血管に障害が生じることで起きます。(細小血管障害) また、糖尿病は動脈硬化を進行させ、脳梗塞や心筋梗塞などの合併症をも引き起こすことがあります。(大血管障害)

こうした血管合併症は、生体タンパク質の糖化が進み、AGEが蓄積することにより進行すると考えられています。

食事などで過剰に摂取した糖と体内のタンパク質が結びつくことで、体内にAGE(糖が過剰にこびりついて本来の機能を失ったタンパク質のこと)が生成されます。血管にAGEが蓄積されれば動脈硬化に、骨であれば骨粗鬆症に、脳であれば認知症に、酵素もタンパク質からできているので、代謝や炎症を防ぐ抗酸化機能にも影響が出てきます。高血糖になりやすい糖尿病の方は、様々な炎症や病気を進行させるリスクがあると言えます。

糖尿病合併症の原因になるAGEは、体内に糖がたくさんあればあるほど、つまり血糖値が高ければ高いほど、糖がタンパク質に多く結びつき多く作られます。また、血糖値が高い状態が長く続けば長く続くほど、AGEも多く作られることになります。

血糖値が上がりやすい食事や嗜好品を避けると共に、ベーコンやソーセージ、唐揚げなどAGEを多く含む食事を控えることも大切です。

Aさんに、作り置きに便利な「砂糖を使わない含め煮」のレシピをお伝えしました。旬の野菜やきのこ、厚揚げや高野豆腐、こんにゃくなどで作ったり、鶏肉や豚肉などと合わせて煮るのもおすすめです。春はフキやタケノコ、スナップエンドウ、小カブなど旬の食材で作ってみてください。

高野豆腐と干し椎茸の含め煮の作り方

【材料】(2人分)

高野豆腐…………2枚
干し椎茸…………2枚〜4枚
出し汁…………300〜350cc
(鰹節と昆布、干し椎茸の戻し汁など。タイコウのだしパックなどを使ってもよい)
醤油…………大さじ1
塩…………小さじ1/4
みりん…………大さじ2
酒…………大さじ1

【作り方】

①高野豆腐と干し椎茸は戻して、食べやすい大きさに切っておく

②鍋に高野豆腐と干し椎茸を並べ、出し汁と調味料を注いで材料がかぶるようにし、中火にかけて沸騰したら火を弱める。落とし蓋をして15分〜20分程ゆっくり煮含める。火を止めてそのまま冷まし、味を含ませる。

次回は食後の高血糖を防ぐ食事と生活習慣についてのお話です。

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