身体がよろこぶような、ていねいな仕事の十割そば

2026.04.30

長野市篠ノ井にお店を構える「手打ちそば処 安心(あんじん)」さんは、安心・安全・ていねいなそばづくりをされている名店。「朝打ち分は当日中に提供し切る」「天然素材をできる限り使用する」という品質最優先の方針で長年経営をされています。

天然の素材を使用することで、美味しさを追求

 
長野の代名詞ともいえる「信州そば」。
米の栽培が難しい冷涼な高冷地で、古くは修行僧の携行食として広まりました。江戸時代に現在の麺状である「そば切り」が誕生すると、中山道の宿場町などを通じて全国へ広まったと言われています。

今回取材させていただいた「手打ちそば処
安心」は、多くのそば店がひしめく長野市で、開業以来20年以上にわたって素材や製法にこだわり抜き、お客様をお迎えしてきた名店です。店名は仏教用語に由来しており、店主がその響きの良さと理念に深く共鳴し、名付けられました。

国産のそば粉や本みりん・醤油・昆布・鰹節などの天然素材のみを用い、白砂糖は一切不使用。手間を惜しまず、一つひとつの工程と真摯に向き合うことで、高級食材に頼ることなく、身体に優しく、かつ良心的な価格を守り続けています。

提供されている商品の中心は、つるっとしたのど越しで食感のよい「セイロそば(二八そば)」と、合鴨肉のつけ汁でいただく「鴨そぼろセイロ」。そして、そば粉十割でモチモチとした食感を楽しめる「安心そば」。安心そばに付く、自家製のくるみダレは、3種の鰹節と北海道産昆布で引いたそば汁に胡麻と胡桃を贅沢にブレンドし、一口すすれば、鼻に抜ける香りが香ばしく、深いコクが印象的です。

鴨そぼろセイロ
店内写真

その日に使う分だけを店内の石臼で。挽きたて・打ちたての香りを楽しめる

 
製粉済みのそば粉を仕入れる店が多い中、同店では収穫されたままの「玄そば(黒い外皮が付いた状態の実)」を仕入れ、その日に使う分だけを店内の石臼で挽いています。

美味しいそばの条件とされる「三たて(挽きたて・打ちたて・茹でたて)」を徹底するのはもちろん、ご主人が全行程をおひとりで管理し、細部にまでこだわり抜くことで、三たてを超えた本当に美味しいおそばを追求し続けてきました。

「製粉所から仕入れた粉では、納得のいく食感の十割そばを打つのが難しいため、自家製粉にこだわっています。風味を守るために大型の皮むき機は使わず、粉砕した後に風で殻を飛ばす方式を採用。また、石臼の『目立て(石の目の調整)』も自らコツコツと行い、時間をかけてゆっくり挽くことで、粉の質を高い水準で維持しています」とご主人。

「良い玄そば」の入手も簡単ではなく、当初は信州産のものを中心に仕入れていたそうですが、近年の品質や、市場変動を背景に、安定供給を理由に北海道産へ集約。一年を通して約15℃で保管することで、品質管理を行い、季節による差が出ないように工夫してきたそうです。

ご主人の目の届く範囲、ご自身でできる製粉やそば打ちの範囲での提供であるために、一日に提供できる数には限りがあります。しかし、それは品質を優先し、ご主人が納得できる美味しいおそばをお客様に味わっていただくための、誠実な選択なのでしょう。

 
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店主の宮本さんにインタビュー

 

安心さんは開業して何年になるのですか?またおすすめしたい商品は何ですか?

このお店は、開業して約24年になります。起業するにあたって、長野県旧豊田村の老舗「美雪莊」で修行させていただき、自分のお店を持つに至りました。やはり食べていただきたいのは「安心そば」です。十割でもボソボソせず、モチモチとした食感になることを目指しています。太打ちでもモチモチなら美味しく食べられるのがおそばの本質なんです。

どんなお客様が多いですか?

常連さんが多く来てくださいます。また、最近ではインターネットで情報を見てご来店いただく方も多いです。一日に提供できるおそばの量に限りがあるので、ご予約をいただけると確実かと思います。

おそばも美味しかったのですが、お惣菜などもとっても美味しかったです。

切り干し大根などの惣菜は、妻が手作りしています。素朴な味わいですが、お客様には評判が良いようです。かつては、季節ごとの特別天ぷらを提供していた時期もありましたが、現在は旬の食材を使った月替わりの天ぷらをご提供しています。
ぜひ、一度ご来店ください。

□ 商品ラインナップ

・冷たいそば(安心そば・セイロそば・鴨そぼろセイロ)
・温かいそば(かけそば・天ぷらそば)
・天ぷら単品
・デザート 他

安心そば外観写真

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