素材の風味を引き立てる、ていねいな手しごと。 松本「と亀」で出逢う豊かな味わい

2026.09.24

松本市の中町通りに2024年にオープンした小さなお餅屋さん「と亀」は、日本古来の餅文化を伝えたいとの想いから始まったお餅とおかき、そしてちまきの専門店。
地元の農家から仕入れる餅米を使って作られる品々は、穀物の旨味と香りがしっかり感じられ、一度食べたら忘れられない”新しい”松本の銘品です。

地元の恵みを、大切に、ていねいに、仕上げる

松本駅から徒歩10分ほどの距離にある中町通りは古くからの土蔵が立ち並ぶ趣ある名所。善光寺街道沿いにあり、かつては酒造業や呉服問屋などが集まり繁盛してきた街ですが、江戸末期から明治期における大火により多くの施設や町家が失われ、再三にわたる火災から守るために「なまこ壁の土蔵」が造られたのだそうです。
今もなお土蔵造りの建物を活かして営業するお店が多く、古き松本の雰囲気が漂う、国内外からの観光客にも人気の街です。

お店の外観①
そんな素敵な通りを松本駅の方面からあがたの森公園方面へ歩いていくと、右手に和の雰囲気で飾られた洒落たショーウインドウがあることに気づきます。

 
「なんのお店かな…入っても良いのかな…」
 
小さな看板には「餅屋」の文字。木の扉を開くと、店内は温かなランプや民芸家具調のカウンターが配された洗練された雰囲気。ショーケースの中にお餅とちまきが並びます。
 
お店のプロデュースを行ったのは、店主の富永佳介さんです。(松本市にある「うなぎ すっぽん 山勢」店主でもあります。)
佳介さんは美術大学で彫刻を学んだ後に、松本民芸家具の職人を経て、うなぎ職人になったという経歴を持つ方。お店づくりのセンスの良さも納得です。
 
「松本の新しい土産品となる商品を販売する店を中町で開きたいと考えていたんです。この店の場所が空いたタイミングで、素材にこだわってつくる餅屋を始めました」
 
と亀のレギュラー商品は、「自然餅(玄米・胡麻)」「かきもち」「中華ちまき」「豆おこわ」の4種。シンプルなラインナップでありながら、素材の力強い味わいがしっかり感じられるという共通点があります。

お店の外観②
お店の内観

 
「お餅の材料となるお米は、地元農家さんから仕入れています。少しでも地元農家を応援できたらという想いもあります」
 
良い素材を適正価格で仕入れ、良いものを作るため、オープン当初は商品価格が今よりも少し高かったそう。しかし、松本に訪れる観光客だけでなく、地元の方が普段遣いできるお店を目指したいと、2025年1月には、おいしさはそのままに商品の仕様変更を行い、手にとっていただきやすい価格へと価格改定を行いました。
 
少しづつ商品数も増え、お店に立ち寄ると「今日は何を買おうかな…」と、毎回商品選びが楽しみ。
 
また、オンラインショップを開設したことで、「松本土産」として、と亀を知った方にもリピートしやすくなっています。

一度食べたら忘れられない「美味しさ」の秘密

と亀さんで自然餅(じねんもち)を買うと、そのずっしりとした紙袋を受け取った瞬間に、食べるのがとても楽しみになります。一度食べたら忘れられない美味しさとは、こういうことを言うのでしょう。
 
自然餅は、信州産の古代米を使用し、ぎりぎりまで水分量を減らしてついているそうで、焼いていただくと、外側はザクッとして中はモチモチ。お米本来の甘さと焼いたことによる香ばしさについつい箸が止まらなくなります。
 
箸が止まらなくなるのは、ちまきとかきもちも同様。
ゴロゴロと大きな具がこんなにたくさん入った「中華ちまき」は他で食べたことがありません。信州産豚の角煮、千葉県産の半立落花生、銀杏、原木椎茸が干し海老香るお出汁でまとめられ、豊かな旨味あとを引きます。
 
「豆おこわ」も然りで、国産の黒大豆、大豆、金時、手亡豆、枝豆…と複数種類の豆の食感と甘み、そしてちょうど良い塩味が、見えないていねいな仕事を連想させます。
そして、と亀の代名詞とも言える「かきもち」は、玄米餅をゆっくりと自然乾燥させ、国産の菜種油でていねいに手揚げして作られています。
 
オープン当初と比べると種類も増えて「玄米」「胡麻」「梅かつお」「フェンネル」「クミン」「味噌チャットマサラ」の6種展開。いずれもザクッと食べた瞬間に鼻に抜ける豊かな香りとお米を感じるしっかりとした味わいがクセになります。
 
小気味よい歯ざわりで後味が軽く、お茶うけやお酒のアテにもぴったり。まさに大人のスナックで、ちょっとしたお土産にもぴったりです。

商品写真①
商品写真②

商品写真③
商品写真④

 
余計なものが一切入っていないシンプルさがありながらも、一つひとつしっかりと考えられた味の構成とバランスが、ていねいな仕事の証拠であり、と亀の特長ではないでしょうか。それがファンの心を掴んで離さないのだと感じます。
 
 
✎ ───
 
先日、と亀のInstagramに、次のようなお店の案内文章が載っていました。


&(と)”がつなぐ、日々と記憶、土地と風味
 
長野県松本市にある 小さな餅屋「と亀」は、
もち米を主役にした品々を 日々丁寧に手づくりしています
 
素材は 地元の恵みを大切にし、
遠くの土地の記憶や その奥にひそむ物語にも
静かに目を向け、
それぞれが無理なく寄り添い 自然に響き合うように
ゆっくりとかたちにしていきます

店名の「と(=&)」には、「伝統と創造、日本と世界、過去と現在――異なるものをつなぎ、交差させ、新たなかたちを生み出す」という想いが込められているのだそう。
 
人やものとの出会い、地元の恵みを大切にし、自然と寄り添うという考え方は、信州あおぞらみーるでも大切にしている“心地よく健康に過ごすことのできる暮らし”に通ずるところがあります。とても時間が早く流れる現代ですが、少し歩みを緩めて、ていねいな手仕事を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

□ 商品ラインナップ

・自然餅(玄米)
・自然餅(胡麻)
・かきもち
・中華ちまき
・豆おこわ 他

商品ラインナップ

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