ゆっくりじっくり発酵熟成「なかの一 みそ・しょうゆ」

2024.11.19

今回は、たかはしクリニックのすぐ近く、長野県中野市でお醤油とお味噌を100年以上作っている中野醤油さんにお邪魔しました。

国産大豆と国産米、天日塩で作る「みそとしょうゆ」

 

こんにちは、編集部の松沢です。

中野市にある「中野醤油株式会社」さんへ、真弓さんとともにお伺いしました。

ご案内してくださったのは、店主の丸山さんです。

中野醤油さんの創業は1923年、中野の地で味噌と醤油を100年以上もの間醸造している味噌・醤油蔵。
大量生産ではなく「手をかけて美味しさを追求する」商品づくりを大切にされていらっしゃいます。
お味噌もお醤油も国産材料を使用し、安心して食べることができて、美味しいことをモットーに、ご家族での醸造・製品づくりに取り組まれています。

中野醤油
中野醤油

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みそは大豆米を主原料とし糀の力で造る発酵食品、お醤油は大豆、小麦を主原料とし麹の力で造る発酵食品です。

現在、比較的短期間の熟成期間で作られるみそが多いのですが、中野味噌さんのお味噌は基本的に1年熟成。
大豆やお米の粒がしっかり残った「つぶ味噌」と「こし味噌」の両方を販売されています。

一方のお醤油も、昔からの木桶で2年かけて熟成をさせた杉桶仕込。お醤油も大手では8ヶ月〜1年ほどの熟成期間で絞ってしまうのに対して、長い時間をじっくりとかけて作ります。

かつては、業務用卸なども手掛けていたそうですが、いまは家族でしっかりと作れる規模での商品づくりをしたいと、丸山さんは話されます。

「人の手でつくること。目で見て、手で触って、鼻でにおいを嗅いで、一つひとつ進めているんです。だから、全部自分たちでしっかりとできる範囲でやることが大事かなと思っています」

中野醤油
中野醤油

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中野醤油さんでは、味噌や醤油に親しめるワークショップも積極的に開催されていて人気があるそう。
コロナ禍以降はオンライン開催をしていることもあって、参加者は日本各地から集まります。

ペットボトルの中でお醤油を発酵させて作る、まるで実験のような試みも。
麹の発酵のチカラを目で見ながら学ぶことができます。

写真のボトルは2月に仕込んで、8ヶ月くらい経ったもの。
キャップを開けると、お醤油のいいにおいがふわっと香りました。

中野醤油
中野醤油

真弓「味噌そのまま食べることがあるのですが、まるで生き物をいただいている感覚。からだが喜ぶのがわかるんです」

丸山さん「そう言ってもらえると嬉しいです。うちのお味噌は、余計なものは何も入れず、昔ながらの製法で余計な手をかけない商品づくりをしていて、味噌は生きた状態でお買い求めいただいています」

 
お話を伺っていて、ハッとしたのがこのくだりです。
私たちが日頃スーパーで目にする商品の多くは「だし入り」。だし入りは、加熱殺菌をしてから出荷されています。当然、みそ中の酵素・微生物は失活します。
生のお味噌は、購入してからも家庭に保存しているうちに発酵が進み、色が濃くなったり、味も変化したりするもの。
そんな変化も今後は楽しんでみたいと思いました。

丸山さん「自分たちからしたら、味噌は全部”生”なんですけど、そうではない商品のほうが多いんですよね」。

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さて、もう一つ。

中野醤油さんには、100年モノのお醤油の仕込み桶があります。
大手の発酵蔵がステンレスの仕込み桶に切り替えている中で、中野醤油さんでは長い間、杉の仕込み桶を使用されています。

「木桶仕込み 丸大豆しょうゆ」は、まろやかな印象を受ける美味しいお醤油。お刺身や冷奴などにもよく合います。

丸山さん「生で出荷をする味噌とは違い、醤油は絞って火入れをしてから出荷することもあり、異物混入や衛生面での問題が少ないことも後押しして、当店では、私の知る限り同じ杉桶で醤油を仕込んでいます。杉桶や発酵蔵には小さな生物が生きているので、やはりその蔵の味がしっかりと出ると思います。」

現在では、衛生管理の面などを理由に、醤油屋さんも酒屋さんも木桶で仕込むところは本当に少なくなってきたのだそう。

肌で感じながらの昔ながらの作り方を守りつつも、美味しさを追求する商品。
中野醤油さんのお味噌や醤油をいただくと、本当にからだが喜ぶのがわかりますね。

 

素材は、長野のものですか?

(丸山さん)
現在、大豆・米・小麦はすべて国産を使用しております。大豆はほぼ長野県産、米は100%長野県産です。

 

おいしさのポイントは?

(丸山さん)
自分自身で仕込みも熟成の確認もするので、手間ひまをかけていることでしょうか。
味噌は最低1年、醤油は最低2年の熟成期間をとっています。
大手さんでは「つぶ味噌」ってほとんどないのですが、当店では「つぶ」と「こし」の両方をご用意しています。
つぶ味噌は、原料の大豆や麹の粒を残した味噌で、大麦の香りや風味を楽しむことができます。
発酵期間が短いと麹が柔らかくならないため、大量生産のお店ではこし味噌しかない事が多いんです。
粒味噌のあるお店の味噌は、しっかり熟成されている証ですね。

 

おすすめの食べ方は?

(丸山さん)

お味噌もお醤油も種類によって、やっぱり味が違います。

当店のお味噌は赤味噌が2種類と白味噌はあります。
麹が多いほうが甘みがあって、香りがすっと立ちます。

例えば、豚汁などは具材から甘みが出るので、麹少なめのほうが合うような気がします。
もろきゅうなどは、麹が多く甘みのある味噌のほうがおすすめです。
白味噌も、関西の白味噌とはまた違って、信州の白味噌は大豆1に対して麹1なので、比較的甘くないんです。(関西の白味噌は大豆1に対して麹が2〜3)
豆乳鍋やあおさのお味噌汁などにお使いいただくと、味噌の美味しさ際立つように思います。

ぜひ試してみてください

 

 

□ 商品ラインナップ

・淡色 粒・漉し
・特吟 粒・漉し
・特撰 粒・漉し
・上撰 粒・漉し
・丸大豆しょうゆ 
・だしつゆ
・しょうゆ豆
・甘酒  ほか

通信販売で購入ができます。
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