地元産の小麦にこだわった薪窯パン
2025.05.03
自作のフランス式薪窯で焼き上げたカンパーニュは、外は香ばしく中はしっとり。
噛みしめるほどに、乳酸菌由来の酸味と麦の旨みが口の中に広がっていきます。
今回は、安曇野市穂高の「月日堂(がっぴどう)製パン」さんを取材しました。
シンプルだからこそ素材が大事
今回お話を伺ったのは、「月日堂製パン」店主の大野田哲朗さん。
大野田さんは松本市のご出身で、20年以上もパンを作り続けている方です。
私が大野田さんのパンに出合ったのは松本市の信毎メディアガーデンにあるお店で、初めて口にした時の感激は忘れられません。
その時に、「パンって、こういうものなんだ!」と思わず納得しました。
大野田さんが作るのは、主にルヴァン種で発酵させるカンパーニュなどのハード系のパン。
ルヴァン種は、フランス語で“発酵種”という意味。乳酸菌と酵母を生育させて作られるパン種です。自家製粉にこだわり、農家さんから仕入れた玄麦をお店の石臼で挽いて使用しています。具材がメインではなく、シンプルなパンだからこそ素材にはこだわりがあるそうです。


「大学卒業後は全国に展開しているパン屋に就職し、そこでパン作りを学びました。お店で使っていたのはカナダ産やアメリカ産の輸入小麦です。お店には袋に入った状態で届くので、どこでどのように作られているのかイメージできませんでした。その時に、私が子どもの頃、家の周りには小麦や大麦の畑がたくさんありましたが、あの小麦はどこに行くのだろう?と、疑問が湧いたんです」
そして、大野田さんは自分のお店を持つために会社を退職し、広島県にある「ブーランジェリードリアン」というパン屋さんで研修を受けました。そこで一番好きだったのがライ麦入りの【カンパーニュ】だそうです。
「自分のお店のパンには地元産の小麦粉を使いたいと思い、原料を卸してくれる農家さんを探しました。小麦は見つかりましたが、ライ麦を作っている農家さんとはなかなか知り合うことができませんでした。そんなある時、たまたま人のつながりで近くでライ麦を育てている三澤さんに出会ったんです。川崎市と安曇野市を行き来しながら畑をしている方で、キノコの廃菌床を使った自然栽培に取り組んでいます。三澤さんにライ麦の提供をお願いすると、『いいよ』と快諾してくれました」と、話してくださいました。
小麦本来の味わいが感じられる月日堂製パンの手作りパンは、麦の種類によって味や香りの違いを楽しめるところが魅力かなと思います。
商品の紹介は、お店のホームページに掲載されていますので、ご覧になってみてください。安曇野市のお店のほか、通信販売でも商品を購入することができるそうです。
□ 商品ラインナップ
・カンパーニュ
・ブロン
・パンドミー
・ブリオッシュ・ペイザンヌ
・スペルト
・クロワッサン
・パンオショコラ
・アップルパイ
通信販売で購入ができます。
【月日堂製パン 通信販売はこちら】
店舗以外の販売
・毎週 月曜「ハーブスクエア」エコサスマルシェ 出店 10:00〜12:00
・毎週 金曜「よろづやいっかく」(穂高神社入口) 委託販売
・毎月 第3金曜「マルクトラボラトリオ」(信毎メディアガーデン)委託販売

