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誰かに伝えたくなる物語があるお酒に出会える

現在の店主で三代目となる善光寺酒店。商品選びは“自分の心が動くもの”が基準だとか。店主の仁科さんは、全てのものづくりに携わる人に対してリスペクトを持ち、自然と「良い酒を造ろう」という精神を持って作られた酒を選び店頭に並べている。そんな善光寺酒店には他では出会えないお酒のストーリーを感じることができる。


善光寺屋 zenkoujiya-saketen

長野県中野市に位置し、現在の店主仁科さんは三代目。祖父は米屋から米酒店、戦後から酒屋専門店となった。屋号は以前長野の善光寺周辺、大門のあたりに店があったとか。以前はどこにでもある酒類全般を扱う酒屋であったが、20年前から酒類の専門店として、県内外の清酒、本格焼酎、ワイン等を取り扱っている。数年前からネット通販も始めて、県外からのリピート客も多いそう。また、プロのラッピング資格を持ったスタッフも在中するため、特別な贈りものに上質な包装やセンスのある「ふろしき」を使用したラッピングも用意してくれる。昔から地元密着で親しまれてきた酒屋。

※本記事は2020年春に取材した内容になります。写真の商品が現在の店頭ラインアップと異なる場合がありますのでご了承くださいませ。

三代で守り抜いている伝統を誇りに

長野県のお酒を中心にイチオシ商品を取り揃えている

学校卒業後、2年間は群馬の伊勢崎市にある業務卸専門の酒屋にて就業し、昭和62年(当時22歳)に店に入りました。私で三代目となり、祖父は米屋から米酒店、戦後から酒屋専門店となりました。屋号は以前長野の善光寺周辺、大門のあたりに店があったと聞きましたが、定かではありません。

センスの光るふろしきラッピングで贈り物もより一層特別なものに

以前は規制前のどこにでもある酒類全般を扱う酒屋でしたが、20年前から酒類の専門店として、県内外の清酒、本格焼酎、ワイン等を取り扱っています。数年前からネット通販も始めて、県外からの注文にも対応出来るよう努めております。また資格を持ったラッピングのプロがおりますので、特別な贈りものに上質な包装やセンスのある「ふろしき」を使用したラッピングもご用意しております。

日頃は、だいたい午前は食品のお客様と業務店対応で、午後はネット通販関係の仕事などを中心に行い、サイトのページの更新や受注、発送作業等を行います。その後、夕方は業務店様の配達がメインになります。夕方は、仕事帰りにお立ち寄りくださるお客様の時間帯でもあります。以前は年配のお客様が7~8割と多かったのですが、ここ4,5年でずいぶんと変化し、感覚的には私の歳より若い方と上の方が5分5分かなという感じです。

男性の方はだいたい買う目的をもって探しに来られます。一方女性は、お酒のことが分からないけど贈り物にしたいという方が多いです。どちらの場合も、目的・用途・お好みや贈る相手の好みなどを聞いた上で最適なお酒をオススメしています。

最後、購入時に納得していただけたり、贈り先の方が喜んでくださったという話を聞くととても嬉しくやりがいを感じます。

本当の意味での“いい酒”を取り揃えています

お酒については一晩以上だって語れるという仁科さん

全てのものづくりに携わる人に対してリスペクトがありますが、「良い酒を造ろう」というのと「売れる酒を造ろう」とでは出来上がるお酒が違うのではないかと考えます。

振り返ってもこれまで「売れる酒」を売ってきたことがあまりないですね。お酒以外の食品に関しても同じです。嗜好品ですからお客さまの好みで「美味しい酒」は人それぞれだと思いますが、「いい酒」の定義はあると思います。原料の水や米が上質であること、技術や手間が高等であること、品質管理が徹底されていること、酒質・味わいが価格に反映され市場においても納得できるものであること、これらを出来るだけ高い次元で取り入れている商品を選ぶ様にしております。店内にある商品全ては、当店の考える“販売価値のある理由”を持っています。

お買い上げいただいたお客様が、その商品を他の誰かにも伝えたくなる物語があるものであること、それを意識し商品を取り揃えています。どんな商品であれ、その商品を知ったとき、触れたとき、自分の心が動くものでなければ、オススメできませんし、お客様にご満足いただけないと思います。あくまで基本の選定の基準はそこでしょうか。

来店された方に楽しみを。季節に応じた店内レイアウト

店内には店主仁科さんの似顔絵イラストが楽しげなPOPになってアドバイス

近年、日本酒はありがたいことに各お蔵様からの季節限定酒が適時発売されていますし、日本は“旬のものを愛でるのが粋”という文化があります。店内もそれに合わせて、季節ごとに演出をしております。

季節ごとのオススメであったり、個人的なイチオシ商品はもちろん、時代の流れで数は減ってきましたがお中元やお歳暮に最適なものをご提案しております。それとは別に、このような世の中でありますので、年間通して“誰かに贈り物をしたい”という需要は増えているように思います。そういった方々向けに、常にオススメできる商品を常備しておくことが重要と考えます。

長野県の日本酒について望むこと

長野県の蔵元様はそれぞれ、その地の特性を前面に出していくお酒造りや付加価値の付け方を考え抜かれています。地元産のお米、水を使用し、醸す時に影響を与える自然環境など様々です。

最近特に思うのは、地元産の原料の特徴を強く出したお酒が増えるにつれて、その地方のお料理とマッチングするお酒がより明確になってきた気がします。試飲してみると、秋田の酒はやっぱり秋田の料理に合うと実感することができます。一方、全国の市場を視野に入れて万人受けを狙ったお酒は、埋もれてしまいそうです。

信州のお酒は信州のお料理や食材に合う味わいを考えていただけると、それだけで自然と存在価値があるのかと思います。どのお蔵様も年間10種類以上のお酒を造られていますので、その中の一本だけで良いんです。この酒はこの地の肴と一緒に飲んでみて、というのがあると私としても嬉しいですね。

雑談程度に仲間と話していたことですが、「旬のお酒と肴の会」を定期的に出来れば楽しいなと思っています。

仁科さんのお酒事情

基本、配達などもあり仕事が夜間まで及びますので定番の晩酌はありませんが、試飲を兼ねて日本酒とワインを嗜むことがあるかなという感じです。もっとお酒が強かったらウィスキーが良いですね。

仕事柄、飲んで酔うというより完璧にテイスティングになってしまいます。その時の印象を忘れないうちに頭の引き出しに入れないといけないので、酔ってる暇がありません。

今後の善光寺屋の目指すべき方向

今後も、できるだけ蔵元様に出かけ、造り手の思いや情報を直接聞き、商品を購入されるお客様にまでその“思い”をお伝えしていきたいです。常に、お客様に喜んでいただけるよう努力は惜しまずやっていきたいと思っています。

県内・県外でも人気の蔵元様は取り扱い数量やお取り扱いが難しいですが、情熱があり酒質の向上が著しいお蔵様も増えております。少しでも応援できるよう努力するとともに、ネット販売の売上も伸ばしたいと思っています。

そして、造り手の思いと今を伝え続けること、自分の中の選定レベルを高め、そのフィルターを通して選んだ納得の商品をご案内していくことを継続していきたいですね。

善光寺屋を選んで来ていただく方へ

何か特別な日に飲みたいお酒や、大事な人に贈りたいお品などがございましたら是非お気軽にお声がけください。お酒でお客様の人生を豊かにするお手伝いをさせていただきます。

私が心から気に入った商品だけを取り揃えておりますので、どの商品も自信を持ってオススメできます。ひたすら良いものを造ろうと考えて誕生した珠玉の商品たちを、是非ご賞味いただきたいと思います。

酒蔵さんの思いと旬の商品を取り揃えて、お待ちしております。

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